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マクロ経済 景気後退局面脱却に「追い風」も。短期では下振れリスクに注意
ワクチン普及が景気回復を強める
新型コロナウイルス感染拡大を契機に、2020年4~6月期以降一気に後退局面へと陥った世界経済は、経済活動の正常化とともに循環的な回復へと復帰しつつある。同年7~9月期は、大幅なマイナス成長を余儀なくされた4~6月期からの反動もあり、日本を含む主要国の多くで2桁台の成長率を達成した。同年10~12月期以降は、財政支援策の後退もあって再び減速が予想されるものの、なお長期トレンドを上回る成長率へと着地する見通しだ。バークレイズ証券では、2021年の世界成長率につきプラス5.6%(2020年見通し:マイナス3.6%)、うち先進国はプラス4.2%(同、マイナス5.4%)、新興国はプラス6.6%(同、マイナス2.3%)への回復を予想している。
2021年にかけ、世界経済が後退局面から脱却する際追い風となるのは、ワクチン製剤の供給開始、足元で高止まりが続いている貯蓄率の低下、低インフレ下における財政拡大、および「超」金融緩和の継続だろう。うちワクチンの供給については、すでに報道されている通り第1陣の供給が2021年1~3月期から本格化するほか、同年4~6月期以降に第2・3陣の供給が始まる結果、年央までにより広範かつ安定的な供給体制の確立が可能となる見通しだ。
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