“S(社会)”の株価への影響高まる
新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、世界はある意味で「ポスト資本主義」の時代に⼊ったと言っても良いのではないだろうか。もちろん、コロナ以前から、資本主義はもはや限界である、との声は多かった。産業⾰命以降、企業の⽬的は利益(株主価値)の追求が中⼼であり、資本主義はその目的を見事に達成してきた。
一方で、資本主義は貧富の格差拡大や地域格差といった社会問題や環境問題を深刻にさせてきており、今や放置できる状況ではなくなっている。これらの問題はこれまで企業にとってはリスクの外部性と言われ、企業が誘引しながらも重要視してこなかった。
しかし、今や、これらのリスクは企業にとっても深刻な問題になりつつある。そして、投資家は企業が有する社会や環境リスクに関する情報開示を強く求める時代になった。企業が被る社会や環境のリスクに着目したESG(環境・社会・企業統治)投資は、ポスト資本主義が「資本主義」として持続し続けるための主要な方法論の1つと言えるだろう。
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