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為替 貿易黒字に裏付けられた実需がユーロの大幅上昇を支える
過去最大の欧米逆転の構図
為替市場では2020年7月以降、ドル安の流れが勢いづいた。こうした動きの背景についてはいろいろな解説がなされうるが、筆者は「米財政赤字の未曽有の大きさ」、言い換えれば「ドルの過剰感」が大きな要因ではないかと考えている。一方で、そうしたドル全面安の中でも同年3月の安値から最大で12%以上も上昇したユーロの動きは目につくものだ。もちろん、同年7月以降、円も対ドルで騰勢を強め、1ドル=104円台までは買われたが、年初来高値(101.18円)までは至らなかった。こうした動きを踏まえ、「ユーロにあって円に無いもの」を検討する価値はある。もちろん、それは複数あるだろう。
例えば、最もシンプルな理由として「主要国の中で欧州の立ち上がりに最も期待できそうだから」という考え方はありうる。2020年6月に改訂されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは2020年こそユーロ圏の成長率は日米欧で最低となりそうだが、2021年にかけての戻りに着目した場合、日米よりも大きな伸び幅が予想されている。
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