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マクロ経済 コロナ禍で拡大した「中銀ファイナンス」。成長率と金融システムが毀損の恐れ
MMT論者が夢見る大規模財政
欧州を代表する知識人のイワン・クラステフは、新型コロナウイルスのパンデミックがこれまで不可能と考えられていたことを可能にした、と論じている。例えば、反移民を掲げる欧州の右派ポピュリストが夢見た国境の封鎖が一時的にせよ実現した。これになぞらえて言えば、MMT(現代貨幣理論)論者が夢見た「中銀ファイナンス」による大規模財政を先進各国が実施した。
実は、日本を除くと、今回のパンデミック危機で、中央銀行の財政ファイナンスによる大規模財政を問題視する人は少ない。各国ともマクロ経済は大幅に落ち込み、家計の所得サポートや企業の資金繰り支援は不可欠だ。最終的には増税や歳出削減で対応されるにせよ、追加財政に伴い大量の国債が発行され、中央銀行が何もせず、長期金利が跳ね上がって、資本市場の不安定化でマクロ経済に悪影響が及べば大問題だ。
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