新型コロナウイルス感染拡大で世界はリセッション入りか
2019年12月、中国湖北省武漢市で複数の肺炎患者の発生が報告された。原因が新型コロナウイルスと特定されたのは2020年1月7日で、その2日後には中国で最初の死者が出た。WHO(世界保健機関)によると、感染は2カ月後の3月8日時点で世界100カ国に広がった。感染者数は、ジョンズ・ホプキンズ大学調べで、3月7日に中国を中心に10万人を突破、死者は3300人を超えた。
世界的な感染拡大をまるでよそ事のように見ていた欧米の株式市場の様相が激変し始めたのは、感染がイタリアで急速に広がり、米国でも感染が相次いで確認された2月下旬のことだった。ニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均は、2月28日までの1週間(5営業日)に計3583ドルも暴落し、2008年のリーマン・ショック後を超える過去最大の下げ幅を記録した。
この大幅な株安について、ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの英国を拠点とするマルチアセット・チームを率いるポール・オコナー氏は、3月2日に次のようにコメントした。
「金融市場でこの数日間起きている極端な相場調整は、投資家心理(の変化)とコロナウイルス感染拡大を反映している。そのわずか1週間前まで、感染は主として中国の国内問題だと認識していた投資家たちが、世界的に急拡大するリスクだとようやく理解したというわけだ」
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