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マクロ経済 新型肺炎が銀行不安に発展か。ハイイールド債スプレッドに注目
経済指標に一喜一憂する展開へ
2019年末に中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎(以下、新型肺炎という)は、2020年に入ると中国全土で感染が急拡大し、他国でも感染者数の増加が続くなど、世界的な広がりを見せている。今回の新型肺炎のグローバル金融市場および世界経済への影響は、過去20年間に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザなどの中で、最も深刻なものになると見込まれる。これは、中国政府による都市閉鎖や人の移動制限、工場稼働停止のほか、他国で打ち出された外国人の入国禁止措置や海外への渡航制限、各種イベントの延期・中止などにより、経済活動が大幅に抑制されるためだ。
世界の株式市場では、2020年2月下旬、新型肺炎による景気減速懸念と企業収益の悪化に対する警戒感から、主要株価指数が大幅な下落を記録した。3月に入ると、Fed(米国連邦準備制度)をはじめ複数の中央銀行が景気下支えのために金融緩和策を打ち出したものの、金融市場参加者の不安解消には至らず、その後も市場の動揺が続いている。
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