東武鉄道 取締役社長 根津 嘉澄氏 特別インタビュー 東京スカイツリー®は鉄道と同じ社会インフラ。しっかり守って、100年後に残していきたい
東京スカイツリー®の完成は、久しぶりに明るいニュース。間近で見上げる600m超のタワーは壮観のひと言だ。大規模複合施設の開発にあたって、どのように資金調達を行ったのか。スカイツリーをテコにどんな事業戦略を描いているのか。東武鉄道の根津嘉澄社長に聞いた。(聞き手:堀田栄治/取材日:2012年3月23日)
プロジェクト開発費用は1400億円
東京スカイツリータウン®の開業まで2カ月を切りました。現在の心境はいかがですか。
根津 3月2日に無事、竣工式を終えました。2008年7月の着工から3年8カ月におよぶ工事期間中、建設会社、設計会社のみなさんのご尽力により、無事故・無災害で完成に至ったことは、お客様に安全・安心を提供する鉄道会社として、本当によかったと思います。
世界一高い自立式電波塔の建設にあたっては、技術的にクリアすべき課題もいくつかあったと聞きます。日建設計さん、大林組さんの技術力、創意工夫には心から敬意を表します。日本の技術力の勝利、といっても過言ではないでしょう。
タワーの建設には、地元の墨田区長さんをはじめ、商工会、町内会、商店街のみなさんの全面的なバックアップがありました。工事期間中は周辺住民のみなさんに、様々なご不便をおかけしているはずですが、完成を楽しみに温かく見守ってくださいましたことを、心から感謝します。
これまでは作り手が中心となって動いてきましたが、我々が結果を出すのは、開業の5月22日以降。企業として結果を出さなければ評価されませんから、気を引き締めて準備を進めているところです。とくにオープン当初は、多くのメディアに注目されたこともあり、お客様の混雑も予想されます。安全に安心して施設をご利用していただけるよう、今まで以上に注意を払う必要があります。
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