2019年のベストディールを表彰する「ディール・オブ・ザ・イヤー」。金額規模や執行業務の鮮やかさ、資本市場に与えた影響といった点を基準に、全10カテゴリーからベストディールを選定した。
(※データはディールロジック提供 ※対象となる案件はすべて公表ベース ※各案件名、社名および概要をまとめた囲み内の社名の並びは、ディールロジックのデータと各種データを基に編集部作成(一部順不同を含む))
M&A部門
ベストM&Aディール(OUT-IN)
アプライド・マテリアルズによるKOKUSAI ELECTRICの買収
2019年7月、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、KOKUSAI ELECTRIC発行済株式の100%を、米半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)に約22億ドルで売却することで合意したと発表した。
KOKUSAI ELECTRICは2017年にKKRが買収した日立国際電気の会社分割により誕生した。複雑な再編計画を通し、分割から約1年という短期間で、パートナーの選定および売却を実現した今回の取引は評価に値する。
2015年、AMATと東京エレクトロンの経営統合が独占禁止法に関する規制当局からの承認が得られず、破談になった。ハードルが上がる中での今回の合意達成は、困難な第一段階をクリアしたというところだろう。規制当局の承認を経たうえでの取引完了を見込んでいる。
ベストM&Aディール(IN-OUT)
アサヒグループホールディングスによるカールトン&ユナイテッドブリュワーズの買収
アサヒグループホールディングスは2019年7月、アンハイザー・ブッシュ・インベブが保有する豪ビール最大手カールトン&ユナイテッドブルワリーズ(CUB)を約1兆2096億円で買収すると発表した。買収額は2019年公表の海外企業買収案件で最高額だった。
CUBは「グレートノーザン」などの豪州トップブランド商品を保有するほか、マーケティング力の評価も高い。2018年12月期の売上高は約1734億円、営業利益は748億円だった。
アサヒグループホールディングスは、日本、欧州、豪州の3極を核とし、グループの持続的な成長を目指す。
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