ミローバ 持続可能な社会に向けた経済変革が創出するチャンスを4つのトランジションで捉える
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ傘下のサステナビリティ投資に特化した運用会社ミローバ。同社が運用する『世界サステナブル株式戦略』は、長期目線で財務リターンとサステナビリティ・インパクトを両立する銘柄に投資するマルチテーマ型のグローバル株式戦略だ。同戦略は具体的にどのような投資機会に着目しているのか。来日したミローバのイグナス・グエン氏が語った。
財務リターンとインパクトの両立が期待できる4つのトランジション
当社が運用する世界サステナブル株式戦略(以下、GSE)では、リターンとインパクトを高度に両立することを目指している。これらを達成するために、当社の投資アプローチを支える3つの柱がある。
1つ目は、当社は株式投資においてマルチテーマ・アプロ―チを採用している。サステナブル投資にはいくつかの重点分野があるが、多くの場合、市場の他のサステナブル戦略は単一の特定テーマにフォーカスする傾向がある。GSEでは単一の戦略の中で複数の継続的な経済トレンドと成長ドライバーを捉えることにより、全体的なエクスポージャーの分散を目指している。
具体的には、サステナビリティを高める方向に移行を促すよう経済にインパクトを与えられる「人口動態」「テクノロジー」「環境」「ガバナンス」4つのトランジション(移行)が、当戦略のメインターゲットとなる。
なぜこの4つのトランジションか。それは、これらの領域のビジネスが「サステナブル目標への貢献」と「経済的な恩恵の享受」を両立する可能性が高いと考えているからだ。
そもそも、ミローバとしては、1つのアプローチの中で、複数の継続的な経済的な追い風とサステナビリティを取り込むことで、長期的により良いリターンとインパクトをもたらすと確信している。これからの経済成長はサステナビリティの土台の上に築かれていくものだと確信している。したがって自らのインパクトで社会・経済構造を改革し、持続可能な社会の実現に貢献するビジネスこそ、これから中長期的な経済構造の変革の中で恩恵を得られるビジネスとなる。そして、それら株式に投資することを通じて、投資家に中長期的に魅力的なリターンを提供できる――というのがGSEの根底にあるアイデアだ。
2つ目としては、テーマを決めただけでは始まらない。リターンとインパクトを両立する可能性を秘める有望な投資先はパッシブに待っていても見つからないからだ。そこで「質の高い良質な企業を厳選して投資する」ことになる。
投資のユニバースは前述の通り「移行する経済に対応できる持続可能な企業」で構成される。そこから、特に「長期にわたって持続的に価値を創造することができる高い質を持つ会社であるか」に着目しながら投資先銘柄をアクティブに選択している。
3つ目は、1つ目と2つ目の柱を組み合わせることで、サステナブルなインパクト目標のスタンダードである国連SDGs(持続可能な開発目標)に積極的に貢献しつつ、長期的な経済テーマから利益を得ることができると考える企業でポートフォリオを構築することを目指している。
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これまで説明してきたアプローチに照らして、4つの主なトランジションにおいて、当社がGSEの投資先として注目しているビジネスの例を紹介しよう。
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