国際金融の専門家であり、かつて日銀総裁候補にも名前が挙がったコロンビア大学教授の伊藤隆敏氏。公的年金運用の改革について検討した「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」の座長も務めた同氏へのインタビューを通じて、「アベノミクス」や「黒田日銀」、「公的年金運用」の実相に迫った。(工藤晋也)

アベノミクスの成功は財政再建と成長戦略がカギ

「2015年は消費税増税延期による財政再建の道筋をどうするか、第3の矢『成長戦略』の実行が安倍政権の大きなテーマとなる」

2014年12月14日に投開票された衆院選は、与党の自民、公明両党が全議席の3分の2を上回る326議席を獲得した。与党圧勝により、安倍晋三首相の掲げる経済政策「アベノミクス」は国民の信任を得たことになる。だが、その目前には「財政再建」や第3の矢「成長戦略」という難問が待ち構えている。

財政再建では、2020年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支=PB)を黒字化する目標を掲げており、その道筋を2015年夏までに示すと政府は明言している。しかし、財政再建の道のりは平坦とはいえない。

国際金融の専門家である伊藤隆敏氏は「2017年4月に消費税率を10%に引き上げるとしているが、それだけではプライマリーバランスを均衡化することはできない。成長戦略によってGDP(国内総生産)成長率が順調に伸びれば税収にも期待できるものの、赤字幅を大きく縮小できるほどのインパクトは望めない。さらなる消費税率の引き上げと歳出の7割を占める社会保障費の削減が必要になる」と指摘する。

プライマリーバランスを黒字化するには消費税率をどこまで引き上げればいいのだろうか。

この記事は会員限定です。

会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。
新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。

会員ログイン
新規会員登録(無料)
利用規約

第1条(本規約)

株式会社エディト(以下「当社」とします)は、当社が提供する「J-MONEY Online」(以下「本サイト」とします)について、本サイトを利用するお客様(以下、「会員」とします)が本サイトの機能を利用するにあたり、以下の通り利用規約(以下「本規約」とします)を定めます。

第2条(本規約の範囲)

本規約は本サイトが提供するサービスについて規定したものです。

第3条(会員)

本サイトの会員は、機関投資家や金融機関の役職員、事業会社の経営者・財務担当者、その他金融ビジネスに携わる企業や官公庁、研究機関などの役職員、もしくは専門家のいずれかに該当していることを条件とし、登録の申し込みを行うには、当社が入会を承諾した時点で、本会員規約の内容に同意したものとみなします。なお、申込に際し虚偽の内容がある場合や本規約に違反するおそれがある場合には、当社は会員登録を拒否もしくは抹消することができます。

第4条(ユーザー名とパスワードの管理)

ユーザー名およびパスワードの利用、管理は会員の自己責任において行うものとします。会員は、ユーザー名およびパスワードの第三者への漏洩、利用許諾、貸与、譲渡、名義変更、売買、その他の担保に供するなどの行為をしてはならないものとします。ユーザー名およびパスワードの使用によって生じた損害の責任は、会員が負うものとし、当社は一切の責任を負わないものとします。

第5条(著作権)

本サイトに掲載された情報、写真、その他の著作物は、当社もしくは著作物の著作者または著作権者に帰属するものとします。会員は、当社著作物について複製、転用、公衆送信、譲渡、翻案および翻訳などの著作権、商標権などを侵害する行為を行ってはならないものとします。

第6条(サービス内容の停止・変更)

当社は、一定の予告期間をもって本サイトのサービス停止を行う場合があります。 会員への事前通知、承諾なしに本サイトのサービス内容を変更する場合があります。

第7条(個人情報の取扱い)

当社は、会員の個人情報を別途オンライン上に掲示する「プライバシーポリシー」に基づき、適切に取り扱うものとします。

必須 私は、利用規約およびプライバシーポリシーに同意したうえで、会員登録を申し込みます。

本サイトからのメールは「●●●●●●@j-money.jp」という形式のメールアドレスで送信いたします。メール規制の設定をされている方は、「j-money.jp」のドメインからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

必須=必須項目