独立系資産運用会社のスパークス・グループ株式会社は今年2024年、創業35周年を迎えた。1989年以来、日本株の運用に特化してきた。創業者でCEOの阿部修平社長は個別企業の調査・分析を徹底して、優秀な企業を発掘。市場平均を大きく上回るパフォーマンスを上げ続けている。このところ阿部社長は「日本企業は『失われた30年』を取り返し、『新たな夜明け』とも言える歴史的転換点を迎えている」と強調している。そこで今回、スパークス・グループの独自の資料などを基に、阿部社長の分析や展望をじっくり伺った。同社の軌跡を含めて3回にわたってお伝えする。(J-MONEY論説委員 阿部圭介)

スパークス・グループ 阿部 修平社長に聞く
【前編】雌伏30年、日本株復活の「必然」
【後編】日本株なお「最も割安」、大きな上昇余地

スパークス・グループの阿部修平社長は1954年札幌市生まれ。上智大学経済学部卒業後、米バブソン大学でMBA(経営学修士号)を取得し、1981年に野村総合研究所に入社した。最初に担当したのが家電大手の一角だったシャープ。分析リポートを書き、海外の投資家を回った。1982年に米国野村證券に移籍し、日本株の営業に奔走する。このころ、伝説の投資家ピーター・リンチ氏に出会った。1985年にニューヨークで独立し、帰国後1989年にスパークス投資顧問(現スパークス・グループ)を創業した。

ソロスやリンチが先生だった

社名の「スパークス」は、著名なヘッジ・ファンドの創業者であるジョージ・ソロス氏との出会いがきっかけだったそうですね。

阿部 ええ。1985年暮れに日本株への投資戦略に関するリポートを作り、有力な投資家に郵送しました。これに反応したのがソロスさんで、「君の考えにスパーク(ひらめき)した。今日から1億ドル(当時の為替レートで約250億円)運用してくれ」と言われ、驚きました。

米国野村には立派な先輩たちがいましたが、私たち若手は機関投資家の名鑑を頼りに電話をかけまくる営業スタイル。毎日のように出かけたり電話したりしたソロスさんやリンチさん、そして後に出会うウオーレン・バフェットさんといった人たちが、私にとっての投資の先生だったのです。

一貫してインデックスを上回る

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