2024年10月に0.25%までの政策金利の引き上げを想定
2024年4月26日の金融政策決定会合では、大方の予想どおり金融政策の現状維持が決定され、短期金利はプラス0.0~0.1%程度で据え置かれた。一部では毎月6兆円程度とされている長期国債の買い入れ方針が変更されるとの見方もあったが、結果は「(長期国債など資産買入れについては)2024年3月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施する」とされた。
会合後の植田和男総裁の記者会見では、記者からの質問が円安に集中した。立場上、為替に対する直接的言及を避けなくてはならない植田総裁の回答は「一般論」にならざるを得ないのは当然だが、明確な牽制がなかったことで、為替市場では「(為替対策としての)金融引き締めなし」との受け止めから、さらに円安が進行する事態となった(当日のドル円相場は156円台から158円台に上昇)。
もっとも、展望レポートでは「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」という従来からある文言の前に「基調的な物価上昇率が上昇していくとすれば、金融緩和度合いを調整していくことになる」という一文が挿入された。当該変更が金融市場で大きく取り扱われた形跡はなかったが、この一文には政策変更が近づきつつあることを示唆する含意があったとみられる。
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