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緩やかな円高は日本経済にプラスだが……
歴史的な円安に終わりは見えてきたか
7月11日、12日と連日で、政府はドル売り円買いの為替介入を行ったとみられる。神田財務官は7月末に3年の任期を終えるが、その前に円安阻止で決着をつけておきたいという思いで、今回の為替介入に踏み切った可能性も考えられるだろう。
ドル円レートは、1ドル161円台後半から157円台前半まで一気に円安の修正が進んだ。2022年に始まった歴史的な円安の動きは、いよいよ最終局面に近づいていると考えられるのではないか。
為替介入だけで為替の流れを変えることは難しく、その効果は一時的だろう。しかし、米国でFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まるというファンダメンタルズの大きな変化が同時に生じていることは見逃せない。それは、円安を食い止める効果を生じさせているのである。
実際に、FRBが9月に利下げに踏み切ることを金融市場が確信すれば、ドル円レートは円高の流れに転じるきっかけとなると考えられる。そこに至るまでにはなお多少の時間があるが、それまで、政府の為替介入と日本銀行の円安けん制によって、時間稼ぎを行うことは可能だろう。
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