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来週を考える|The Week Ahead 中国:中央政府主導の不動産救済策2024年5月31日(金)配信号
中国で進んでいる民間セクターのデレバレッジプロセスは、問題を抱える不動産セクターの救済に向けた中国政府の取り組みの強化によって緩和できると考えます。
5月17日、中国の何立峰副首相は地方政府に対し、未完成物件に関連するリスクに対処し、既存の住宅在庫を消化するよう促しました。この発表は、市場の信頼を回復させ、不動産関連問題を解決するという中央政府の決意を示すものと弊社は見ています。
その後、中国人民銀行は、地方政府所有企業が未販売の完成済み住宅在庫を公営住宅用に買い取ることを支援する3,000億人民元の再融資枠を発表しました。人民銀と国家金融監督管理総局(NFRA)はまた、最低頭金比率の引き下げや住宅ローン金利の下限撤廃など、不動産セクターの支援を目的とした一連の与信対策を発表しました。
こうした対策はすべて、購入資格のある限界的な買い手に不動産購入を促し、在庫解消を支援することを目的としています。一方、住宅購入制限の撤廃を発表する地方政府も増えており、不動産需要を抑制するために導入された過去の規制が徐々に解体されつつあります。
中央政府は今後、住宅引渡しの遅れに関する全国調査の実施、問題のある住宅プロジェクトの分類、資金ギャップの見積りを行い、各地域と不動産カテゴリーごとに在庫解消を促進するための適切な制度を設計すると予想されます。中国の住宅在庫は現在、26.5カ月分の販売量に相当する水準と推定され、適正水準である15カ月分にまで引き下げるためには、総額5.2兆人民元(GDPの4.1%)が必要となる見込みです。
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