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J-MONEYカンファレンス「激動時代を乗り切る債券投資のベストプラクティスを考える」 【特別講演】世界経済は当面安定、潜在的なリスク要因も金利がある世界での債券投資再考
2024年4月12日、東京・日本橋のベルサール東京日本橋でJ-MONEY主催のJ-MONEYカンファレンスが開催された。「激動時代を乗り切る債券投資のベストプラクティスを考える」とのテーマで行った今回のカンファレンスには、海外に続き日本でも日銀の金融政策変更などで「金利のある時代」が到来したこともあり、多くの機関投資家が出席した。当日のプログラムから、特別講演の内容をお伝えする。
クレジットのスプレッドは動かず、欧州に妙味
米国や日本での株式市場が騰勢にあるが、本当に世界経済は強かった、あるいは強くなっていると言えるのだろうか。
【図表1】は米国株式市場の2000年以降の小型株指数/大型株指数の比で、2007年を頂点に以後は下がり続けている。これは、中小企業の株価は冴えず、大企業というよりはメガ企業が株価全体をけん引してきたことを表している。こうした二極化により、ファンダメンタルズやマクロ経済とは関係なく、金融市場が強い結果を招いたに過ぎない。
日本の株式市場も、金融緩和モードの定着と新NISA(少額投資非課税制度)スタートなど、株式の需給改善が支えになっている。また、2024 年の日本の経済については、日銀の動向と衆議院の解散・総選挙の時期や結果に左右されると判断している。日銀の金融政策に関しては「7月に0.25%利上げ」をメインシナリオとしつつも、為替の動きや総選挙の時期などによっては「全く動かない」可能性もあるとみている。
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