会員限定
米国景気が強い謎
なぜ米国は強いままなのか
米国金利が2022年に0%から5%へと1年間でほぼ5%も上がったことは記憶に新しい。私見では、この金利急騰の副作用を必ずやどこかの誰かが受けてしまうがゆえにネガティブな影響が出るものと思っていたが、それ程になっていないのはなぜなのか。それどころか、2023年の米国経済成長率は2.5%と堅調であった。
日本では、株価がバブル期を超え4万円台を定着できるかどうかが試されている中、日本銀行は遂にマイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)を撤廃した。歴史的な転換点を迎えているといっても大袈裟ではなさそうだ。春闘の賃上げも昨年度に続き堅調な状況を示しており、心強い。やはり、全世界的に好循環に向かっているのだろうか。
しかし、米国の消費動向など懸念材料を全く見なくても大丈夫だろうか。今回はそこを指摘したい。
米国の消費はなぜ堅調なのか
超過貯蓄が減る中、クリスマス商戦はあるいは危ういかもと思っていたのだが、第3四半期、第4四半期のGDP(国内総生産)成長率はそれぞれ前期比年率4.9%、3.2%で、うち消費は同3.1%、3.0%であった。なぜ、これだけ強いのか。
超過貯蓄は減り、かつ、特に高所得者層を除くクラスでは資産効果もさほど得られていないはず。加えて、その資産効果があるとしても大方は不動産からの上がりであり、それでは消費に回る資金がないということは昨年10月にも指摘したとおりである。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。