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トータルアセットデザイン インフレと金利を味方につける投資戦略とは資産運用セミナー「異次元からの脱却――新常態を考察する」
企業年金や学校法人に対する資産運用コンサルタントのトータルアセットデザインは3月15日、第34回資産運用セミナーを都内で開催した。「異次元からの脱却――新常態を考察する」のテーマで、前田栄治・ちばぎん総合研究所取締役社長(元日本銀行理事=金融政策・金融市場担当)と寺本名保美・トータルデザインアセット代表取締役が講演した。それぞれの内容を紹介する。
「マイナス金利」解除後に年内1回の利上げ予想
前田栄治氏は「金利は本当に復活するのか?」と題して講演した。講演は、日銀がマイナス金利政策を解除して2007年2月以来17年ぶりの利上げを決めた金融政策決定会合(3月18日、19日)の直前に行われた。マイナス金利解除は当初、4月の決定会合とみられたのが前倒しとなった。これに関して前田氏は「今春闘の賃上げ水準が大方の想定を上回る予想となり、2月後半から流れが変わった。日銀はマイナス金利解除後に年内、もう1回の利上げをするのではないか」と語った。
実質賃金は年後半にプラスに
前田氏は「内外の経済と物価」と「金融政策運営」について説明した。
「内外経済」では世界のPMI(購買担当者景気指数)などから、米欧では製造業は減速傾向にあり、サービス業も景気の過熱感が収まることが確認され、インフレも鈍化傾向にあるため、「今年後半に利下げが見込まれる」と指摘した。一方、日本国内は経済活動が正常化するもとで、コロナ禍に金融資産が積み上がったことがクッションとなり、消費者態度指数や消費活動指数が改善していると説明した。
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