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為替 2024年も円は最弱通貨に。新たな円売り要因も出現
外国株投資は2023年の3倍ペース
円は2024年に入っても引き続き弱い通貨となっている。主要10通貨の中で見ると、2021年は最も弱い通貨となり、2022年はスウェーデン・クローナに次いで2番目に弱く、2023年はまた最弱通貨となった。2024年入り後も、本稿執筆時点(2月5日)までで最弱通貨となっている。
円を構造的に弱い通貨としてきた、国際収支の悪化、他国との大きな名目短期金利差、日本の実質金利の大幅マイナス化といった要因は今もそのままで、大きく変化する見通しはない。むしろ、2024年からは新NISA(少額投資非課税制度)スタートに伴う日本の個人投資家による外国株投資という要因も新たな円売り要因も加わっている。
当社で集計している、残高が大きく、人気のある25本の外国株投資信託(為替ヘッジ無し)への資金フローを見ると、飛びぬけて大きかった年初のフローを除いても、1日平均流入額は2023年の3倍となっている。このままの資金流入が続くようであれば、外国株投信購入のための円売りは年間10兆円程度となる見込みだ。これは、非常に大きかった2022年の貿易赤字と、2023年の貿易赤字額の差とほぼ同程度となる。原油価格下落で少なくなった円売り分が、今度は外国株投資のために出てくるということになる。
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