アレックス・フルー・マクミラン(Alex Frew McMillan)
香港を拠点に20年あまりにわたりジャーナリスト活動を展開。ニューヨーク・タイムズやインターナショナル・ヘラルド・トリビューン、フィナンシャル・タイムズ、サウス・チャイナ・モーニング・ポストのほか、アジアン・インベスターなどの雑誌媒体でも執筆。
英国投資に手ぐすねを引いているアジア勢
英国のEU(欧州連合)離脱決定は、アジアにも大きな衝撃をもたらした。英国民が明らかに経済的な不利をもたらす孤立をなぜ選んだのかについて、ASEAN(東南アジア諸国連合)経済共同体やTPP(環太平洋経済連携協定)などを通して地域経済の緊密化を進め、さらなる発展を目指そうとするアジア諸国は理解に苦しんでいる。
しかし、中国本土、香港、マレーシア、シンガポールの投資家は、英国というローカルな国民投票の結果がもたらす投資機会の到来を待ちきれない様子だ。英ポンドの外国為替レートは31年ぶりの安値をつけており、英国の新築不動産物件が取得しやすくなっている。国民投票以前もアジア系による不動産取得が顕著だったロンドン不動産市場だが、新規投資はアジア系がほぼ独占する可能性さえ考えられる。
韓国を含めた他のアジア諸国の機関投資家も、ロンドン不動産市場の優良物件への投資に国民投票以前から力を入れてきた。日本の不動産バブル崩壊以降、英国では主要プレーヤーの座から降りていた日本の投資家の復帰もありそうだ。
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