2010年のディールから、ユーロマネー日本語版がベスト・ディールを決定する「ディール・オブ・ザ・イヤー」。受賞対象ディールは、金額規模や執行業務の鮮やかさ、資本市場に与えた影響、執行後のパフォーマンスといった点を基準に選考した。
(ユーロマネー日本語版編集部 ※データの出所:ディール・ロジック)
M&A部門
ベストM&Aディール(OUT-IN)
プルデンシャル・ファイナンシャルによるAIGスター生命とAIGエジソン生命の買収
2010年は欧州危機の発生で、海外の事業会社やファンドが打撃を受けたため、外国企業による日本企業の大規模なM&Aは前年と比較して伸びなかった。そうした状況のなかで、買収金額が10億ドルを超えた唯一の案件が、米金融機関プルデンシャル・ファイナンシャルによる米AIGの生保子会社2社の買収であった。
米国最大手の保険会社であるAIGは、サブプライムローン問題に起因するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の支払い義務が集中したことで深刻な経営危機に陥った。AIGはCDSを大量に発行しており、破綻すれば世界の金融市場に甚大な影響を与えるということで、米政府は巨額の公的資金を投入してAIGを救済した。
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