Muzinich(ミューズニッチ) 米国プライベート・デットのローワー・ミドルに大きな投資妙味
グローバルなコーポレート・クレジット投資に特化した米国の独立系運用会社であるミューズニッチ。約343億米ドルのAUM(運用資産残高)を持つ同社で、プライベート・デット(PD)部門の共同責任者を務めるマイケル・スミス氏が2024年2月に初来日した際にインタビューした。同氏によると米国では現状、中堅・中小規模のローワー・ミドルの企業群が旺盛な資金需要があるのに対して、自己資本強化を求められている銀行が融資規模を縮小させている。このため、そのギャップを埋める形でPDへのニーズが高まっている。スミス氏は「PDは以前より高いリターンを、より厳格な融資条件の下で得られている。今の状況はまさに『ルネッサンス』といえる」と強調する。
資金需要のギャップを埋めるプライベートデット
初来日の目的は?
スミス ミューズニッチは1988年に米国で設立され現在、世界15カ国に拠点を持つ。日本でも既にメガバンクなどとパートナーを組んで公募投信を販売している。一方、日本での拠点は昨年2023年5月に初めて設置した。そのため今回は私が直接、運用会社や機関投資家を訪問して、当社の極めてユニークな運用戦略などを紹介させていただいている。
スミスさんは米国のPDがご専門とのこと。まずマーケットの現状を教えてほしい。
スミス 直近の2023年はウクライナ戦争などの地政学的リスクやインフレ圧力、それに伴う金利上昇などがあったが、PD市場の規模は拡大し続けている。企業が成長するための投資や買収などで旺盛な資金需要がある一方、銀行は貸し出しを縮小する傾向にあるからだ。
この需給のギャップを誰かが埋めなければならず、それが我々PD運用側の大きなビジネスチャンスになっている。
競合相手の少ないローワー・ミドル市場
そうしたPD市場の中でも、ミューズニッチは売上高1000万〜1億5000万米ドルの米国企業群であるローワー・ミドルマーケットを主なエリアとしている。理由を教えてほしい。
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