ヤラ・キャピタル・マネジメントが実質的な運用を行う公募投資信託が、「R&Iファンド大賞」のオーストラリア・ニュージーランド債券部門で最優秀ファンド賞を獲得した。豪州市場の魅力や同社の運用の特徴について、オーストラリア債券運用責任者のロイ・キーナン氏に話を聞いた。(取材日:2018年5月23日)

ヤラ・キャピタル・マネジメント ロイ・キーナン氏
ヤラ・キャピタル・マネジメント
オーストラリア債券運用責任者
ロイ・キーナン

投資対象としてのオーストラリアの魅力とは。

キーナン オーストラリアはこの26年間、大きな景気後退局面が一度もなく、長期国債はAAA格(S&P)を付与されている。人口が年1.6%の割合で増加しており、その半数以上が専門的な技術を持つ若い移民であることも将来性を感じさせる。輸出産業として観光業や教育産業の成長が著しいうえ、農業や鉱業も非常に強く、とくに液化天然ガスの輸出量が急増している。

運用戦略の特徴や強みは。

キーナン 我々のファンドの投資対象はシニア債券だけでなく、メザニン債や劣後債、バーゼル規制に基づくハイブリッド証券など多岐にわたる。このなかから60程度の銘柄に集中投資を行う。現時点での評価が低くても、今後大きな改善が見込まれる銘柄に投資妙味を見出すことが特徴だ。

ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点は、当社の株式投資のプロセスに従来から組み込まれている。株式だけでなく、債券投資においてもESGを重視している。

日本でのビジネスについて。

キーナン 当社の前身はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの豪州部門で、日本では7年の歴史がある。ファンド大賞を受賞した投信のマザーファンドは、豪ドル建てで年平均6.2%のリターンだ(2012年10月~2018年4月)。現在はリテール向けの運用が中心だが、今後は機関投資家に向けた運用サービスも提供したい。