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為替 FRBや日銀の金融政策は据え置き。米大統領選挙という政治リスク燻(くすぶ)る
リスクシナリオはドル円下落方向
ドル円は2020年から過去3年、動意に乏しい取引状況が続いてきた。我々のファンダメンタルズ・モデルに基づく推計値は現在107円台にあり、実際のドル円はおおむねフェアバリューに見合った水準にあると試算される。よほどのサプライズがない限り、そこからプラス・マイナス5円程度のレンジ(つまり102~112円レンジ)を想定するのが妥当だと考えられる。その中でも105~110円がコアレンジとなろう。
ただ、そこから逸脱するリスクシナリオについてはドル円の下振れ方向へ傾いていると睨んでいる(100円前後への下落リスク)。筆者は世界のマクロ環境については楽観的だ。そうした下振れリスクを警戒するのは、ファンダメンタルズ的な要因よりも、2020年の政治的なリスクを重視しているからだ。
言うまでもなく、2020年最大の政治イベントは同年11月の米大統領選挙だ。昨年も米中貿易戦争やブレグジット(英国による欧州連合からの離脱)問題の迷走など、市場環境を巡る不透明感は深まったが、それでも為替相場の変動率は低下の一途をたどった。このことを考えると、今年も米大統領選挙で為替相場が急に動き出すとは断言しがたい。
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