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マクロ経済 政策運営の焦点は、金融緩和から財政拡大へ
先行きの景気下振れ懸念強まる
世界経済は、足下の景気停滞が半導体などIT関連財における生産・在庫調整を契機とした一時的な「踊り場(softpatch;製造業の景気後退)」で収束するのか、あるいは非製造業も含む本格的な「後退局面(recession)」へと至るのかの瀬戸際にある。
先行きの景気動向については、足下は長期化、かつ先鋭化の様相を呈している米中貿易戦争の帰趨にも大きく依存するが、政策運営面では欧米で「競争的」な金融緩和が進行するなか、財政政策運営(財政拡大)がより重要となるだろう。
すなわち米国では、トランプ政権の下での大型減税策による景気浮揚効果がはく落するにつれ、年末にかけ一段と潜在成長率を下回る水準まで成長率が低下することが見込まれている。
2019年超党派予算法(BBA)により債務上限が凍結される結果、債務デフォルトリスクが払拭されるなど当面の財政リスクは低下するものの、同法に伴う成長率かさ上げは限定、かつ短期的に止まる見通しだ。
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