アセットマネジメントOne は2019年9月、金融市場と低相関の絶対リターン追求型商品『マルチストラテジーHF戦略ファンド』の提供を始めた。同社の担当者に詳細を聞いた。
(取材日:2019年10月21日)

アセットマネジメントOne
アセットマネジメントOne オルタナティブ インベストメンツ
ヘッジファンド投資部長 共同投資責任者 多和田 聡氏(写真左)
アセットマネジメントOne
戦略運用本部 マルチマネジャー運用グループ
ファンドマネジャー
田代 晃一氏(写真右)

ファンドの特徴は。

多和田 当ファンドは、金融市場と低相関の多様なリターン追求型の運用戦略を用いて、資産保全やリスク管理に重点を置きながら、持続的なアルファ創出を目指している。

投資対象は企業の株式や社債などが中心であり、割安株の買い建てと割高株の売り立てを組み合わせる「株式ロングショート」や、個別企業の重要な企業活動を投資機会とする「イベントドリブン/合併裁定」など複数の戦略を適用している。

2006年6月の設定来年率リターン6.89%という実績は安定的な収益性を示し、外国株式との相関が0.10、ヘッジファンド指数との相関が0.23という低水準は、金融市場との低相関を示す(2019年5月現在)。

ファンドの運用を行うハドソンベイとはどのような運用会社か。

田代 2019年3月末で運用資産総額が約33.5億ドル(約3618億円)、同年5月末で資産残高が約40億ドルの米国の運用会社だ。

2005年の創業来、一貫してアルファの創出と資産保全に注力する。年金と基金、財団で、投資家全体の約8割を占めている。

金融市場との低相関の仕組みは。

多和田 「ディールコードシステム」にある。ディールコードとは投資アイデアを表し、ポートフォリオは数百ものディールコードで構成されている。
コードごとに必要なヘッジポジションを追加して損失の抑制を図るほか、収益測定も行う。

効果が出ないものは半年~1年で廃止し、頻繁に入れ替える。数百ものコードごとへのヘッジは、ポートフォリオ全体の保全性を強化している。

機関投資家へのメッセージを。
田代 当ファンドは、オルタナティブ領域の中核商品として積極的に売り込んでいる。伝統資産の代替投資先の一つとして、機関投資家にはぜひご活用いただきたい。