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為替 貿易赤字と短期金利差拡大のダブルパンチで円安継続
米ドル上昇の典型的なパターン
2021年から2022年にかけて米ドル/円相場が102円台から151円台まで急騰した背景は、米ドル高と円安の同時発生だった。この2年間の主要10通貨の騰落率を見ると、米ドルは最強通貨となっており、2番目に弱かったスイス・フランに対しても5%程度上昇している。対して円はスウェーデン・クローナとほぼ同程度の最弱通貨となっており、3番目に弱かったノルウェー・クローナに対しても10%以上下落している。
米ドル高となった理由は、大まかに言えば2021年は米国経済の独り勝ち、2022年はFRB(米連邦準備理事会)の利上げ期待の急速な高まりだった。米ドルが上昇するときの典型的なパターンが2年続けて、強力かつ時期をずらして発生したことが米ドルの持続的な上昇に繋がった。一方、円安となった理由は、日本の貿易赤字の急速な拡大と他主要国との金利差拡大だった(図表)。
■日本の貿易収支と世界との政策金利差
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