三菱UFJモルガン・スタンレー証券 日本のPB部門総合ランキング1位を獲得。最高のウェルスマネジメントサービスを提供
ユーロマネー誌の「プライベートバンキングサーベイ2022」の「日本のプライベートバンキング部門」で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が総合ランキング第1位に選出された。同社のプライべートバンキング(PB)ビジネスの強みについて、取締役副社長執行役員 浜田直之氏に聞いた。
(岡本英理子)
お客さまの真の豊かさを目指して本格的なウェルスマネジメントを
日本のプライベートバンキング総合ランキング第1位に選ばれました。
日本で本格的なウェルスマネジメントサービスの確立を目指している当社にとって、PB関連のアワードの中で、ユーロマネーは最も権威がある賞です。そこでナンバーワンをいただいたのはありがたく、とても嬉しく思います。今回で19回目を迎えたこのアワードは、我々のビジョンを進めて行く上で最も意義のあるものです。
当社としては2度目の受賞となり、2020年8月に合併した旧三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券の実績と合わせると10期連続でトップに選ばれたことになります。社員にとって、これまでやってきたことへの大きな自信になります。
また、お客さまにとってもご自身が選んでいる会社が1位になったことを、喜んでいただけるのではないでしょうか。
どのような点が評価されたと思いますか。
当社では、「最高のウェルスマネジメントサービスを通じ、特別なお客さまの様々なライフステージにおいて、真の豊かさの実現をお手伝いすること」をミッションとして定めています。
そして、そのミッションを実現するために大切に考えている5つの価値観として、①Client Focus(顧客重視)②Professional(プロフェッショナル)③Teamwork(チームワーク)④Diversity(ダイバーシティ)⑤Integrity(誠実さ)を掲げており、社員全員で共有した上で、徹底して実践しています。
私たちは、常にお客さまの声に耳を傾けてお客さま一人ひとりで異なるゴールを探っていきます。その際に、丁寧にプロファイリングを行うことを何よりも重視しています。
資産運用はもちろんのこと、例えば資産承継や事業承継、不動産やローン、遺言や相続など、お客さまのご要望は多岐にわたります。時間をかけたプロファイリングを通して、MUFGのソリューションネットワークも活用し、お客さまの真のニーズにお応えする、最適なソリューションをご提案していることが評価につながっていると思います。
また、「Client Focus」を実践できるようにとの考えから、当社では社員の評価制度に収益目標や販売目標を設けていません。さらに、組織の部署名から「営業」という言葉をなくしました。お客さまのアドバイザーとしての役割に専念することで、より質の高いソリューションを提供できる組織体制に改編しました。
合併によるシナジー効果ソリューションの充実
合併したことでどのようなシナジーが生まれていますか。
シナジー効果は大きく進んだと思います。旧PB証券は、洗練されたプロフェッショナルなサービス力を持っていた一方で、PB専業の” ブティック” であったために、お客さまに提供できるソリューションのメニューは限られていましたが、総合証券会社の一員となったことにより、ソリューションの幅が格段に増えたと思います。例えば、今日のアルファが取りにくい市場環境において、グローバルに富裕層からの注目を集めている商品にプライベートエクイティ(PE=未公開株式)があります。当社は、この分野で豊富な実績を誇る世界的に有力なPEマネージャーと複数提携しており、PB部門のお客さまへのご提供が可能になりました。また、ファミリーオフィス的な非運用のサービスソリューションの活用も大きなシナジーと言えるでしょう。
一方、旧PB証券が日本で成功してきた背景にある、米国流のウェルスマネジメントのフィロソフィーや考え方、お客さまへのアプローチの仕方などは、当社の拠点(本支店)にも良い影響を与えています。総合職や専門職が長期的に活躍できる長期担当制のような新しい制度も構築したことで、意識の高いアドバイザーも育っています。
テクノロジーを体系的に活用し富裕層ビジネスにフォーカス
どのようなウェルスマネジメントビジネスを展開していますか。
対面では、オーダーメイドのサービスを行う対象をウェルス(富裕層)とミドルマーケット法人のお客さまに特化し、それ以外のお客さまにはデジタルを活用したリモートサービスを提供しています。
一人のアドバイザーが担当するお客さまの数も基本的に100~150ファミリーほどに限定しました。そうしたなかで、時間をかけて行うプロファイリングに基づいたご提案にあたり、テクノロジーを活用して、最先端のデータ分析の結果をお客さまに示しながら、より確かなアドバイスができる体制を構築しています。
MUFGとモルガン・スタンレーの強みも最大限に活用しています。グループ内連携では、銀行や信託のサービスへのご要望をお持ちのお客さまには、「MUFGウェルスマネジメントデジタルプラットフォーム」を活用しています。お客さまの人生のゴールをグループ間で共有し、資産全体を網羅するバランスシートを作成した上で、お客さまに次に何をご提案すべきかをAIによる解析も含めて導き出しています。これにアドバイザー自身とお客さまとのコミュニケーションによる分析が加わり、より潜在的なニーズにアプローチすることが可能になっています。
モルガン・スタンレーとの連携では、世界のウェルスマネジメントビジネスのトップ・ランナーであるモルガン・スタンレーが誇るノウハウや知見を存分に活用できることも当社の大きな特長です。
一方で、リモートでのお取引を希望されるお客さまには、リモートFA(ファイナンシャルアドバイザー)という形を推し進め、デジタルを活用して、ライフプランに沿った運用のアドバイスを提供しています。
ワールドクラスの本格的なウェルスマネジメントハウスに
今後の事業方針について教えてください。
2021年度からスタートした中期経営計画でも掲げている通り、「ワールドクラスのサービスを提供する、本格的なウェルスマネジメントハウスを日本に確立させること」を目指しています。当社が重要視している、お客さまからのロイヤルティや満足度を測定するNPS(ネットプロモータースコア)では、評価の上昇が見られるなど心強い結果も現れており、お客さまからは「こんなに丁寧に対応してくれるとは思わなかった」などと、ありがたいお言葉をいただけることも少なくありません。
今後とも「Family Wealth Managerへの4つのステップ」をしっかりと意識し、前に推し進めていきます。「自分たちの最大のライバルは、昨日の自分たち」という意識を社員全員で持ちつづけ、個々人のレベルアップを図り、さらなるソリューション力を強化し、ウェルスマネジメントビジネスの成長・発展に邁進していきたいと思います。