アリアンツ・グローバル・インベスターズ 長期の予測値を基に資産配分アドバイス。非伝統的投資も「完成品」で提案する
新型コロナウイルス禍や低金利の長期化など運用環境の先行き不透明感が拭えず、安定的な収益機会の確保には従来以上に運用の巧拙が問われる。そんな中、アリアンツ・グローバル・インベスターズは、同社が擁する専門家チーム「リスクラボ」によるアドバイザリーサービスの拡充に注力する。
リスクラボ最大の特徴は、世界の主要7市場における「今後10年間の市場予測値」をベースに多様な資産クラスの動向をシミュレーションし、資産配分などのアドバイスを行う点だ。同社日本法人 金融ソリューション部長の神頭大治氏は、「従来は、『5年前に○○に投資していたら現在のリターンは……』など過去データに基づいて行うのがメインだった。10年という長期の将来予測に基づき『今○○を組み入れれば、△年後のポートフォリオ全体のリターンは◇%期待できる』など『たられば』でない資産配分の提案ができるのが強みだ」と語り、長期投資を基本とする年金基金などとの相性を強調する。
リスクラボが予測対象とする資産クラスはグローバルで1000以上、日本投資家向けだけでも100以上ある。体系的かつ包括的にシミュレーションを行い、アロケーションの変更や新たな資産クラスの追加などがもたらすポートフォリオのリスク・リターン特性の変化を定量的に提示。加えて一目で結果を理解できるようビジュアル化する提案手法は、多様な投資家に重宝されてきた。
昨今はリターン獲得のため、機関投資家は非伝統的な投資スキームへの挑戦も迫られている。リスクラボでは、経験則では掴(つか)みづらいそうした投資の効果予測の提示だけでなく、チーム内の法務・税務・会計などの専門家を動員して具体的な投資スキームを設計・提案するサービスも展開する。
「非流動性資産への投資などは机上の空論になりがちだが、リスクラボでは『完成品』として投資ソリューションを提案する。もちろん提案して終わりではなく、定期的な戦略の見直しなど中長期的なパートナー関係でお客様に寄り添っていきたい」(神頭氏)