マルチバンクFXストリーミングサービスを手掛けるFXスポットストリームは2021年6月から、API(顧客がプログラムにより電子取引プラットフォームに直接注文する方式)を介したFXアルゴリズムストラテジーとFXアロケーションサービスの提供を開始した。サービスの概要や同社の事業展開について、アジア・パシフィックセールス責任者キャンベル・クレーランド氏に聞いた。

キャンベル・クレーランド
FXスポットストリーム
アジア・パシフィックセールス責任者
キャンベル・クレーランド氏

FXスポットストリームは、15行のグローバル銀行から供給される、金融市場のリクイディティ(流動性)を提供するテクノロジー専門会社として2011年12月にニューヨークで誕生した。FXのスポット、フォワード、スワップ、NDF/NDS(通貨先物)、および貴金属のスポットとスワップなどを提供している。

顧客は、同社のAPIやGUI(顧客が画面を見ながら注文を手入力する方式)を通じてリクイディティプロバイダーである15の銀行の中から取引相手を選び、約定する。固定フィー制を採用しているため、銀行にとっては取引量が増えるだけ1取引に対するフィーを割安にできる。結果的に顧客も有利なプライスで取引が可能になる期待が持てる。

「今回、従来からのFXストリーミングサービスに加えて、70種類以上のFXアルゴリズムと200種類を超えるパラメータ、さらに複数口座におけるアロケーション(取引分配)サービスの提供が可能な機能を追加しました。新型コロナウイルス禍で為替トレーダーの間でも在宅勤務が増え、会社のトレーディングルームほどのリソースがない環境下で取引しなければならなくなり、足元はプログラミングどおり売買するアルゴリズム取引の注目度が高まっています」(クレーランド氏)

同社の事業規模は年々拡大しており、2020年通期に提供した取引高は11兆ドル(1200兆円)を突破。平均日次取引高は前年比18.52%、顧客数は前年比19.64%増えている。

クレーランド氏は「新サービスは、証拠金取引会社や銀行、証券会社、ヘッジファンドのほか、運用会社や保険会社などの長期投資家にも有用なツールと考えます」と語る。