DWS 「契約型」へのフォーカスなどでマクロリスクを低減し、オペレーションに全力投球
25年以上の欧州インフラ投資のトラックレコードを有するDWS。そのインフラ運用事業の責任者が来日した。直近数年間、厳しい市場環境の中でも良好なパフォーマンスを発揮したことで日本でも関心が高まる欧州インフラ資産について、どのようなポイントを重視して投資を行っているのか話を伺った。
インフラ資産への過度な期待には注意
欧州インフラ市場の現状について教えてほしい。
マッケンジー 近年、欧州地域におけるインフラ投資市場は拡大を続けている。背後にあるのは、社会・経済がデジタルトランスフォーメーションや持続可能な社会に向けて変革を果たす際に必要となるインフラの新設・更新に対する需要が公的セクターだけでは賄いきれず、民間資本の役割が拡大していること。そして、これまで家族経営や民間企業が閉鎖的に運営してきたインフラ案件が、資金調達の機会を求めてプライベート市場にどんどん登場するようになってきたことがある。
特に後者について、欧州インフラ市場には様々な国や地域・商習慣の中で、実に多様なインフラ案件が存在することが、米国のインフラ市場と比較した時の差別化要因になっている。
インフラ投資の成熟も進んでおり、キャッシュフローが安定したインフラ資産に注目してインカム収益の獲得を目指す「コア」や「コアプラス」、インフラ価値向上のために積極的に施策を打ち出すことでインカム収益とキャピタル収益の最大化を目指す「バリューアッド」、収益性の低いインフラ資産にテコ入れして高いキャピタル収益を目指す「オポチュニスティック」など、機関投資家の投資の選択肢も増えてきている。
しかも、そうした多様な案件の多くがこれまで機関投資家の資本に頼らず運営されてきたものであるため、機関投資家が投資を通じてそれらの成長をサポートすることで、今後、大きな成長が期待できる投資機会が多い点も魅力だ。
欧州インフラ市場は安定感が魅力と聞いている。
マッケンジー 欧州のインフラ資産の特徴は、その資金調達方法にある。欧州のインフラ資産は、通常、プロジェクトファイナンスの長い歴史の中で培われたインフラファイナンス市場で資金調達を行う。当社の投資先のインフラ案件も、すべてこの市場でファイナンスされている。
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