会員限定
来週を考える|The Week Ahead 予算問題2024年10月17日(金)配信号
フランスと英国の政治と政策のサイクルが6月以降、期せずして同じようなタイミングで動いており、両国の10年債の利回りは欧州議会選挙後の4カ月間、他国よりも高止まりしています。欧州議会選挙後、ドイツの10年債利回りが35ベーシスポイント(bp)低下したのに対し、フランスの10年債利回りは5 bp低下し、英国の10年債利回りはわずか1 bpの低下にとどまりました。
フランス、英国の両国とも、今月末に予算関連のイベントが控えており、財政サイクルが債券市場のアンダーパフォーマンスの一因となっています。フランスでは10月29日に税収に関する議会採決が行われる予定で、英国では10月30日にリーブス財務相が最初の予算を発表します。
ここまでの政治的な動きを簡単にまとめると、フランスのマクロン大統領は欧州議会選挙での敗北後、下院総選挙の実施を発表しました。その第2回投票が行われたのは、英国の議会選挙から1週間以内のことでした。フランスではどの政治グループも国民から明確な信任を得られなかったことから、英国の労働党の地滑り勝利との違いが際立ち、経済的な命運が長期的に分かれていくのではないかという観測が強まりました。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。