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株式 2023年後半からリスクマネーの本格回帰
米欧の利上げは最終局面へ
主要先進国のインフレは鎮静化に向かっている。世界経済の見通しを概すれば、米欧の景気減速は当面続くが、2023年終盤以降に持ち直す一方、日本や中国をはじめとした新興国の景気は堅調で世界経済を下支えするだろう。
米欧の利上げは最終局面に入っている。インフレ鎮静化に加えて、労働需給の緩和の兆しが見え始めたことから、今後は金融引き締めが一服し先行きの利下げが見込める中で、景気も底打ちから回復に向かうと想定する。
ただし、足元の米欧の景気、雇用は想定以上の底堅さがあり、インフレ水準は高水準であることから、景気抑制的な水準での政策金利が当面維持されよう。
FRB(米連邦準備理事会)は2023年3月の米銀破綻を契機とした銀行への影響の見極めが困難なため、インフレ上振れリスクへの警戒スタンスを今後も維持するとみている。ECB(欧州中央銀行)はインフレに明確な減速感が見られない中で、米国よりも長く利上げを継続する可能性が高いが、いずれにせよ、今後の大幅な追加利上げは避けられるとみており、米欧の利上げは終盤を迎えたと考えている。
一方、日銀は賃金上昇を伴った2%インフレ達成に向けて金融緩和を継続しており、年内にYCC(長短金利操作)の解除はみられるとしても、マイナス金利解除を含めた金融政策の転換には時間を要するだろう。
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