『J-MONEY』の「東京外国為替市場調査」は、2022年で32回目を迎えた。ドル円相場が歴史的な水準まで下落するなどボラティリティの大きな為替相場が続く中で迎えた本年の調査では、総合力に加え、緊急時の顧客対応や情報提供に関しても多くのコメントが指名理由に寄せられた。「総合評価」では、三菱UFJフィナンシャル・グループが17年連続の1位となった。(譽田洋斗)
「金額加算」でドイツ銀行が躍進
第32回東京外国為替市場調査には、事業法人63社・機関、金融法人83社・機関、外国為替証拠金取引会社16社の計162社・機関が参加した。
各回答者が、順位付け(1~5位)して選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した「総合評価ランキング」は、昨年に続き三菱UFJフィナンシャル・グループが1位だった。2位はみずほフィナンシャルグループ、3位には三井住友信託銀行が入った。
回答者による金融機関の順位付けを、月間平均取引金額(10億円未満、100億円未満、500億円未満、1000億円未満、1000億円以上の5段階)に応じて配点、計算した「金額加算ランキング」では、ドイツ銀行グループが昨年から順位を上げて2位に入った。
企業間競争の激しい外国為替証拠金取引会社投票部門の「ECN/マルチバンク」では、FXSpotStreamが大差をつけ6連覇を飾っている。
全体(事業法人・金融法人・外国為替証拠金取引会社)
順位 | 金融機関名 | スコア | 1位指名 回数 |
2021年 順位 |
---|---|---|---|---|
1 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 390 | 47 | 1 |
2 | みずほフィナンシャルグループ | 160 | 7 | 2 |
3 | 三井住友信託銀行 | 133 | 10 | 9 |
4 | JPモルガン・チェース銀行 | 127 | 9 | 3 |
5 | バークレイズ | 126 | 7 | 5 |
6 | 三井住友銀行 | 125 | 7 | 4 |
7 | ドイツ銀行グループ | 108 | 11 | 10 |
8 | クレディ・アグリコル銀行 | 85 | 13 | 8 |
9 | UBS | 82 | 7 | 6 |
10 | 野村ホールディングス | 56 | 2 | 11 |
11 | バンクオブアメリカ・メリルリンチ | 54 | 4 | 13 |
11 | ゴールドマン・サックス | 54 | 1 | 12 |
13 | HSBC | 36 | 2 | 15 |
14 | シティ | 32 | 3 | 7 |
15 | クレディ・スイス | 25 | 0 | 14 |
16 | BNPパリバ | 24 | 1 | 16 |
17 | ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH) | 12 | 1 | 21 |
18 | りそな銀行 | 9 | 1 | 19 |
19 | スタンダードチャータード | 8 | 0 | 16 |
20 | ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行) | 4 | 0 | 23 |
20 | SMBC日興証券 | 4 | 0 | – |
20 | 埼玉りそな銀行 | 4 | 0 | 24 |
順位 | 金融機関名 | スコア | 2021年 順位 |
---|---|---|---|
1 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 24738 | 2 |
2 | ドイツ銀行グループ | 18311 | 4 |
3 | バークレイズ | 15207 | 6 |
4 | UBS | 14852 | 1 |
5 | JPモルガン・チェース銀行 | 13922 | 3 |
6 | みずほフィナンシャルグループ | 7333 | 8 |
7 | バンクオブアメリカ・メリルリンチ | 6830 | 7 |
8 | クレディ・アグリコル銀行 | 6575 | 10 |
9 | ゴールドマン・サックス | 5590 | 9 |
10 | 三井住友銀行 | 5212 | 12 |
11 | 三井住友信託銀行 | 5150 | 14 |
12 | クレディ・スイス | 4240 | 11 |
13 | シティ | 4207 | 5 |
14 | 野村ホールディングス | 3852 | 13 |
15 | HSBC | 3804 | 15 |
16 | BNPパリバ | 2440 | 16 |
17 | ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH) | 785 | 19 |
18 | SMBC日興証券 | 150 | – |
19 | 埼玉りそな銀行 | 100 | 24 |
20 | ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行) | 90 | 23 |
調査の概要
●東京外国為替市場の顧客となっている事業法人ならびに金融法人、外国為替証拠金取引会社にアンケートを送付。回答のうえ、オンライン・FAX・郵送・メールで返信してもらった。
●調査期間:2022年7月1日~7月29日。
●総合評価ランキングのスコアは、各回答者が順位付けして選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した。自己申告による月間平均取引金額10億円以上の回答者を抽出して算出を行った。月間平均取引金額10億円未満の回答および金額回答がない場合は、集計に反映しない。
●金額加算ランキングの算出にあたっては、各金融機関が獲得した票数をもとに、回答者からの指名順位(1 ~ 5位)と、各回答者が自己申告した月間平均取引金額に応じて配点し、計算した。取引金額は10億円未満、100億円未満、500億円未満、1000億円未満、1000億円以上の5段階。金額回答が無い場合は、集計に反映しない。加重平均は行っていない。
●部門別評価ランキングは、各回答者が順位付けして選んだ複数の金融機関を規定ポイントで加算し、計算した。
回答者の内訳
部門別評価の概要
●ベスト オプション バンク:オプション取引提案が優れていると思う金融機関
●ベスト リサーチ バンク:分析・レポートが優れていると思う金融機関
●ベスト エマージングカレンシー バンク:米ドル、欧州通貨以外の通貨サービスが優れていると思う金融機関
●ベスト コンサルティング バンク:商品スキームの提案力が優れていると思う金融機関
●ベスト バックオフィス バンク:ITサービス・問い合わせ態勢などが優れていると思う金融機関
●ベスト 海外ネットワーク バンク:グローバル拠点網が充実していると思う金融機関
●ベスト プラットフォーム バンク〈シングルバンク・GUI〉:電子取引システムが優れていると思う金融機関
●ベスト プラットフォーム バンク〈ECN/マルチバンク〉:電子取引システムが優れていると思う金融機関
※グループ本社の所在地で「国内系」「海外系」に分類
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。