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知りたい! 隣の企業年金・第4回 ライオン企業年金基金──リスク低減を図って株保有ゼロ〜一喜一憂せず中期的視野貫く
企業年金を担う人々の素顔に迫る企画「知りたい! 隣の企業年金」。朝日新聞企業年金基金の常務理事を務めていた阿部圭介氏が、常務理事や運用執行理事など資産運用を担う方々にインタビューしていきます。第4回は、ライオン企業年金基金の中沢秀幸常務理事にお話をうかがいます。
ライオン企業年金基金の概要
- 所在地/東京都墨田区本所
- 設立/1968年8月(2004年7月に代行返上)
- 加入者数/2886名
- 受給者数/2407名
- 資産総額/379億円
- 予定利率/2.0%
- 期待運用収益率/0.95%
- 実績収益率/0.22%
(いずれも2021年12月末時点=決算期)
来春、本社を移転・統合
地下鉄・都営浅草線の蔵前駅で降りる。
地上に出て、浅草方面に向かって3分ほど歩き、大きな交差点で右に折れると隅田川にかかる厩橋。橋の手前は台東区で、渡り切ったら墨田区になる。橋の右手に白くそびえ立っているビルがライオン株式会社の本社だ。
迎えていただいたのはライオン企業年金基金の中沢秀幸(なかざわ・ひでゆき)常務理事。中沢さんの案内で本社11階から隅田川を見下ろすと、左方面に建設中の大きなビルに小さく「LION」の文字が見える。先ほど地下鉄の駅から地上に出た台東区蔵前地区となる。
来春、本社を移転されるとか。
中沢 そうなんです。当社は1980年、主に洗剤を扱っていたライオン油脂とライオン歯磨の2社が経営統合したのですが、その後もオフィスは両国の旧ライオン油脂本社と本所の旧ライオン歯磨本社に分散していました。ですから、来春の引っ越しは単なる移転にとどまらず、43年たってようやく実態的にも統合されるという意味を持っています。
運用資産と給付対応に二分
中沢さんと私(阿部圭介)は現役時代からお付き合いがありますが、最初にライオン企業年金基金さんのポートフォリオの中身を紹介された時は驚きました。ポートフォリオの区分けも独特ですよね。
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