J-MONEY2021年10月号 巻頭言 事業活動を通じてSDGsの達成に貢献
「確かな安心を、いつまでもお届けする」。当社は2017年、経営理念やめざす姿を「明治安田フィロソフィー」として定めた。長期で安定した経営を実現し、「相互扶助」を基本とする保険ビジネスを通じてお客様一人ひとりに寄り添ったアフターフォローを提供する。これは、持続可能な社会の実現を掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の理念と軌を一にするものだと考えている。
我々は社会のサステナビリティ向上に資する課題にチャレンジしている。特に全社を挙げて注力してきたのが、「健康寿命の延伸」と「地方創生の推進」の2つだ。例えば前者には、「みんなの健活プロジェクト」として加入者が健康診断の結果に応じてメリットを受けられる保険商品を発売。商品に加えて、健康増進の取り組みを継続的に応援するサービス・アクションを展開。自身の健康増進への関心を高めてもらう機会を作った。後者では、「地元の元気プロジェクト」として、これまで全国約400の自治体と連携。祭事の支援や行政サービスの紹介など、全国約4万5000人いる当社の従業員が各自治体と一緒になって地域の活性化を進める様々な取り組みを行っている。
これらには、目に見える成果が出るまでに時間を要することが多いが、当社としては、継続的に事業を展開し安定した成果を出すことが可能な相互会社ならではの姿勢で、引き続き数十年といった長期視点で見た持続可能性への貢献を重視していくつもりだ。
また、第3の柱として「環境保全・気候変動への対応」をさらなる取り組みが必要な優先課題と位置づけ、強化している。保険会社には機関投資家としての側面もある。公共性の高い生命保険事業の資産運用において、投融資リターンの獲得と持続可能な社会づくりへの貢献の両立を目指すESG投融資や投融資先企業とのエンゲージメントを通じ、環境問題や脱炭素社会実現に資する技術開発や事業転換の後押しをしていく。
今後特にこだわりを持ってチャレンジしていきたいのが地方創生だ。当社では、地域貢献に資する企業に積極的に投融資するなど、取り組みを加速している。もちろん、脱炭素化など地球規模の問題に貢献していくことも重要だ。ただし、いくら自然環境が良くなろうとも、「まず自分の住んでいる街・地域を良くすること」ができていなければ人々が真に安心・幸福な状態になることはないとの点は忘れないでいたい。地域社会が良くなることは、当然、そこに住むすべての方の生活を良くすることでもあるのだから。