EU離脱なら、短期的には投資資金は脱英国の恐れ

クリス・ライト
Chris Wright
シンガポールを拠点に活動するフリーの金融ジャーナリスト。ユーロマネーやインスティテューショナル・インベスター、フィナンシャル・タイムズ、オーストラリアン・フィナンシャル・レビューなどで執筆。アジアマネーやオーストラリアン・フィナンシャル・レビューでは投資コーナー編集長を務めた。

英国では2016年6月23日、EU(欧州連合)からの離脱(Brexit =Britishexit)の是非を問う国民投票が行われる。デイヴィット・キャメロン首相を含めた多くが予想していたより、さらに僅差の投票結果となりそうだ。諸外国もまた、脱EUがおよぼす影響を探るのに懸命だ。影響を懸念する1人であるバラク・オバマ米大統領は英国にEU残留を強く促している。

日本にとって英国のEU離脱は何を意味するのだろうか。短期的には、英国がもはや安全な投資先ではなくなり、世界の投資資金は日本を含めた他の安全な地へ向かうことが考えられる。ハートウッド・インベストメント・マネージメントでインベストメント・ディレクターを務めるマイケル・ステーンズ氏が解説する。

「EU離脱による影響は不透明だが、短期的に英国の資産全体にネガティブな影響をおよぼすだろう。財政赤字と貿易赤字を抱える英国が資本逃避に直面すれば、英ポンド安は避けられない」

ポンド安によって、日本円の価値が米ドルやユーロといった他通貨に対して自動的に上昇するわけではない。しかし、日本が必ずしも円高を望んでいるわけではないが、おそらく円安ではなく円高の要因となる。

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