野村ホールディングス
代表執行役社長 グループCEO
奥田 健太郎

野村グループでは、経営戦略の一つとして「パブリックからプライベートへの拡大・強化」を打ち出しています。その具体的な施策の一つとして、2021年1月、非上場企業を投資対象とする上場投資法人の設立に向けた戦略的提携を発表しました。欧米に比べ日本にユニコーン企業が少ない理由の一つとして、非上場企業への投資規模が小さいことがあげられます。IPO(新規株式公開)を急ぐのではなく、IPO前に規模の拡大を図ろうとするスタートアップの資金ニーズと低金利化において多様化する投資家の運用ニーズに応えることを目指しています。

経済活性化のためには、新しい産業、新しいビジネス、その担い手であり変化を起こす新しい企業の創出、そして、それらの企業や市場が拡大していくことが必要です。ただ、成功の確率は決して高くはありません。それゆえリスクマネーが必要となります。当社がこれまで得意としてきたパブリック市場での役割に加え、プライベート市場における資金調達、投資機会の提供を通じてリスクマネーの供給・循環を推進することで、結果として資本市場、経済全体の活性化に寄与していきたいと考えています。

これからの債券投資を考える

さらに今後、社会問題解決のために、リスクマネーの供給・循環を担う金融の役割がますます大きくなってくるでしょう。野村グループの経営ビジョンは「社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現すること」です。当社の企業価値向上と社会全体の持続的な成長は同じ道の上にあると考えています。環境問題を含め社会課題を解決していく上で、もちろん補助金や社会貢献活動としての寄付などは重要ですが、あくまで富の再配分であり、それだけでは十分といえません。解決のスピードおよび、持続可能性を追求すると、企業が利益を出すと同時に社会課題を解決していく仕組みが求められます。

スタートアップの分野においても、顧客に幸福感をもたらし、その対価として企業が利益を得、さらにその結果として社会問題が解決される、そういうビジネスアイデアの実践を目指した起業も見られます。そこに共通しているのは、創業者の強い思いとそれを可能にしたテクノロジーです。野村グループとしても、このようなチャレンジをしっかりとサポートしていきたいと考えています。