2014年は株高・円安と良好な運用環境で推移したが、2015年半ばともいわれる米国の政策金利引き上げなどで流れが変わる可能性もある。今後の先行きが見通しにくいなか、機関投資家はどのようなポートフォリオ戦略を志向しているだろうか。(工藤晋也、津田恒平)
“ゴルディロックス経済”が一転、ボラタイルな運用環境に
2014年は運用環境に恵まれた1年だった。株式は一時、日経平均で7年4カ月ぶりとなる1万8000円台の水準を回復し、NYダウは史上最高値となる1万8000ドルを突破。為替は7年4カ月ぶりに120円台をつけた。金利も歴史的な低水準のまま推移するなど、おおむね株高・円安、低金利の流れで推移した。
だが、インフレやデフレ、景気後退でもない、居心地のよい状態“ゴルディロックス経済”が続く保証はない。BFCアセットマネジメント代表取締役会長の川名教之氏も、次の3つの理由からゴルディロックス経済の継続は難しいと踏む。
まず、日本株式や外国株式のPER(株価収益率)が16倍程度と割安感が薄れてきていること。外国債券も似たような状況にある。さらに世界的な株高傾向にあるものの、米国に頼り過ぎている。3番目が、実体経済の器に比べてマネタリーベースの供給量が多く、金融政策の影響力がかつてないほど大きくなっていることだ。
「結果、FRB(米連邦準備理事会)の利上げをきっかけに、2015年はボラタイルな時代になるだろう」と川名氏は見ている。
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