多くの機関投資家のポートフォリオ戦略のコアとなる「債券」の有力な選択肢として、バンクローンやアンコンストレインド債券戦略が脚光を浴びている。その背景などを関係者に聞いた。(工藤晋也)
株式を避ける機関投資家、債券がポートフォリオのコアに
機関投資家関係者の間では、世界一の規模を誇る年金基金、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式比率の引き上げが大きな話題になっている。2014年10月1日時点では依然として検討段階のままだが、GPIF改革の旗振り役だった塩崎恭久氏が厚生労働大臣に就任したことで、株式比率引き上げの流れが加速すると見られている。
だが、GPIFの動きに追随し、株式比率を見直す機関投資家はほとんど見当たらない。年金基金であれば予定利率の引き下げや積立不足を母体企業のバランスシートに即時認識する会計基準の導入、金融法人であればバーゼル規制を意識して株式への投資を避ける動きの方が目立つ。
透明性や流動性がひときわ重視されるようになったことでヘッジファンドにも一時の勢いはない。「低金利」「低スプレッド」「低ボラティリティ」というリスクオンの運用環境下にもかかわらず、機関投資家のリスク回避のセンチメントに変わりはなさそうだ。
消去法的な選択も含めて、高い透明性と流動性を持ち、比較的に安定したパフォーマンスが期待できる債券が機関投資家のポートフォリオのコアに位置付けられている。
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