「流通市場で社債がマイナス金利」の異常事態
8月7日、目を疑ったのはジョンソン&ジョンソンの一部社債の取引レートに-0.002%というマイナス価格が付いたことである。日本円にしてわずか1.6億円程度の少額取引ゆえ、ディーラーのショートカバーで一過性のものと考えられるものの、流通市場での社債のマイナス価格での取引は前代未聞と言っていい。
翻って、日本銀行が行っている社債等買入でもマイナス金利での買入が続いている。8月5日の落札結果を見ると、残存1年以上3年以下の社債に対し、応札総額7886億円、落札総額3000億円。按分レート-0.044%、平均落札レート-0.034%となっている。条件に見合えば、マイナス金利でも買い取ってもらえることがはっきりしている社債市場では、一気にリスクプレミアムが抑制され、スプレッドが縮小することになる。
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