東京海上アセットマネジメント(USA)の三橋威夫氏に、マルチアセット・キャリー運用の魅力を聞いた。(取材日:2019年4月12日)

三橋 威夫氏
東京海上アセットマネジメント(USA)
チーフエグゼクティブオフィサー
チーフインベストメントオフィサー
三橋 威夫

マルチアセット・キャリー運用とは?

三橋 キャリー収益とは、市場の状態に変化がないと想定した場合に、投資家が投資対象資産から受け取ることのできる資金調達コスト控除後の収益を指す。日本でFX(外国為替証拠金)取引を手掛ける個人投資家が好んだ取引手法の「キャリー・トレード(金利の低い通貨で調達した資金を高金利通貨で運用し、金利差収益を稼ぐ取引)」をイメージするとわかりやすい。

従来、キャリー収益を獲得できる資産は債券のみと考えられていたが、当社は株式や通貨、商品など、他の資産にもキャリー収益は存在すると考える。こうした各資産に内在するキャリー収益を複数の計量的手法を用いて抽出することで絶対収益を追求する運用手法がマルチアセット・キャリーだ。

キャリー収益に注目する理由は?

三橋 これまで投資家の資産運用の中核を担ってきた日本国債は、マイナス金利の影響により影を潜めている。こうした環境の中、キャリー収益の「予見可能性が高く、再現性が高い」という特徴を活用すれば、従来投資家が国債投資を通じて得ていた安定的なリターンを実現する投資機会を疑似的に作りだせると考えた。

当社の『東京海上リターンターゲット3』は、キャリー収益の抽出方法や投資資産・戦略を分散することで、いかなる環境でも目標リターンを達成することを目指す商品だ。当戦略では、相関の低い複数の資産・戦略、抽出方法を組み合わせる。これにより、ヘッドフォンの「ノイズキャンセリング効果」のように価格変動の影響を相殺し、純粋なキャリー収益の積み上がりをリターンに結び付けることができる。確実性の高いリターンを創出する債券運用を疑似的に作り出す運用と言えるだろう。

リスクの所在が分散されているのも特徴だ。デュレーションリスク(年限の長期化)やクレジットリスク(低格付債への投資)、流動性リスク(非伝統的資産への投資)など、単一のリスクを収益の源泉とする商品とは一線を画す商品であると自負している。