日本の長期金利が20数年ぶりに2%台に乗せた。「異常」だったゼロ金利からの「正常」化に過ぎないのか、はたまた構造的な金利上昇トレンドの始まりなのか。SBI証券の佐治信行氏、バークレイズ証券の門田真一郎氏、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの小松原宰明氏ら3名の有識者に、金利上昇の背景を整理するとともに、機関投資家が国内債券と向き合う上での着眼点を聞いた。(譽田洋斗)
金融政策の不透明感、為替変動がタームプレミアム拡大の注目点

チーフストラテジスト 兼 上席エコノミスト
佐治 信行氏
2025年12月に日銀によって政策金利の誘導目標が0.75%という30年来の水準に引き上げられたのち、同年末から2026年初にかけて、国内の長期金利の指標である10年物国債利回りが20数年ぶりとなる2%の大台を突破した。
高市早苗首相の積極的な財政拡張姿勢が注目を集めるとともに金利が上昇してきたこともあり、国内外の債券市場では英国のトラス・ショックのような金利急騰を心配する声もいっとき聞かれたものの、2026年2月8日に投開票を迎えた衆議院議員選挙を経て、2月15日の本稿執筆時点では、長期金利は2.2%近傍で落ち着きを見せている。
「振り返っても、過去10年ほど続いたゼロやマイナスに近い金利は異常だった。足元で2%台まで“上昇した” と言われるが、金利として正常な水準まで“戻ってきた” 実感だ。ただ、現在は海外投資家を中心に、『金利ある日本』を知らない世代が金融市場の大部分を占める。そうした世代が放漫財政だ、JGB (日本国債)格下げだと過剰反応するのも無理はないが、日本経済の前提が何か極端に変化した帰結として金利が上昇したわけではないと思う。単に、日銀が異常だった金融政策の正常化を始めたというだけだ」
衆院選前の取材時、こう冷静な見方を貫いていたSBI証券のチーフストラテジスト 兼 上席エコノミストの佐治信行氏は、日本の長期金利が8%台で推移していた1982年から証券業界に携わってきた。
この記事は会員限定です。
会員登録後、ログインすると続きをご覧いただけます。新規会員登録は画面下の登録フォームに必要事項をご記入のうえ、登録してください。
















