前回の「イールドカーブ徹底解剖」に続いて今回は、日本を除く主要な先進国の間で近年、金利のイールドカーブが通常の形ではなく、「逆イールド」になっていた現象にフォーカスします。前回は「イールドカーブ」そのものを理論面から掘り下げました。今回は歴史を振り返りながら、逆イールドとはどういった現象なのか、ラッセル・インベストメントの金武伸治さんに伺います。

「右肩下がり」は理論に反した形状

主要先進国のイールドカーブの多くが、つい最近まで逆イールド化していました。これは、理論的には異例な状態とのことでしたね。

金武 前回は、イールドカーブがどのようなメカニズムで形成されているかをお話ししました。短期金利と比べて長期金利には将来にわたる不確実性を伴うため、そのリスクを負う対価としてリスク・プレミアムが乗せられており、このためイールドカーブは右肩上がりになるのが正常な状態です。

さらに短期国債と長期国債の組み合わせの方が、中期国債と比べて同じデュレーションであっても、実際の価格変化幅である曲線のコンベクシティが大きい。このため金利が上昇しても低下しても、債券価格の上昇に寄与するコンベクシティが相対的に小さい中期国債には、そのデメリットを賄う分だけの金利が上乗せされる。こうしたことで、イールドカーブが上に凸になること(膨らみを持つ)を説明しました。したがって「イールドカーブが右肩下がり、かつ下に凸となる」逆イールドの形状は、理論に反した現象と言えます。

2022年から最大の逆イールドに

過去にも逆イールド化現象が発生したことはありますか。そしてその後、どのようなことが起こったのでしょう。

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