過去3回、為替ヘッジを徹底解説してきました。「仕組みは分かったが、では実際の取り組みにはどう生かしたらいいのか」。機関投資家が頭を悩ます債券投資に即して、そのポイントをラッセル・インベストメントの金武伸治さんに伺います。

ヘッジコストは中期的な運用課題

日銀がマイナス金利政策を実施するなど、国内金利が極めて低かった時代に私たち企業年金の多くは、相対的に金利の高い為替ヘッジ付き外国債券(ヘッジ外債)投資にシフトしてきました。しかし逆に、足元では高い為替ヘッジコストが課題になっています。

金武 【図表1】をご覧ください。2024年10月末現在、日本の投資家にとってのヘッジコストは例えば対米ドルの場合で4.7%となっています。約10%の為替リスクを抑制(ヘッジ)するために、その半分となる約5%のヘッジコストが必要な状況です。

加えて【図表2】のように、2024年9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で示されたFOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では、中央値で2025年末が3.375%、2026年末が2.875%となっていました。従って、今後もヘッジコストが2%から3%程度で推移することが見込まれます。この水準は現在よりも低いですが、利下げが行われると債券利回りも同時に低下することが想定されるので、ヘッジコストは今後も中期的な運用課題になる可能性があります。

【図表1】為替ヘッジコストの推移(2024年10月末時点)
為替ヘッジコストの推移(2024年10月末時点)
※クリックすると拡大します
出所:Bloombergのデータを基にラッセル・インベストメント作成
【図表2】FOMCメンバーの政策金利見通し(2024年9月FOMC:中央値)
FOMCメンバーの政策金利見通し(2024年9月FOMC:中央値)
出所:FOMCのデータを基にラッセル・インベストメント作成

確かに国内債券の利回りは高いが……

ということは、再び国内債券投資に戻った方が良いということですか。

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