【後編】日本株特化35年。スパークス・グループ 阿部 修平社長に聞く 日本株なお「最も割安」、大きな上昇余地
独立系資産運用会社のスパークス・グループ株式会社は今年2024年、創業35周年を迎えた。1989年以来、日本株の運用に特化してきた。創業者でCEOの阿部修平社長は個別企業の調査・分析を徹底して、優秀な企業を発掘。市場平均を大きく上回るパフォーマンスを上げ続けている。このところ阿部社長は「日本企業は『失われた30年』を取り返し、『新たな夜明け』とも言える歴史的転換点を迎えている」と強調している。そこで今回、スパークス・グループの独自の資料などを基に、阿部社長の分析や展望をじっくり伺った。同社の軌跡を含めて3回にわたってお伝えする。(J-MONEY論説委員 阿部圭介)
スパークス・グループの阿部修平社長は2年前から再び、運用の第一線に立っている。主に中小規模の企業を対象に、企業価値が向上するよう提案も行うエンゲージメント・ファンドでファンド・マネージャーを務めている。
骨の髄まで保守的な経営者たち
運用資産残高約2兆円。社員200人を抱える社長がなぜ、今、再びファンド・マネージャーに立ち戻ったのですか。
阿部 良い製品を作り、優れた人材も擁しているのに、極めて低水準の株価に甘んじている企業が多いのです。そういう企業は往々にして財務面が非効率。そこに気づいてほしいという思いで、積極的にエンゲージするファンドを組成しました。当方から経営内容に関して、もろもろ指摘させてもらう。そのことで企業業績が向上し、株価もアップすればウインウインじゃないですか。ただ、経営陣の多くは50代から60代。若手の時代にバブル崩壊や金融機関の破綻などを目の当たりにしているせいか、骨の髄まで保守的な人が多い。大胆な提案に逡巡されるケースもしばしばです。
PBR1倍割れが依然30%
6月に開催されたスパークス・グループの機関投資家向けセミナーで、阿部社長は「日経平均株価の4万円超えは当然。これから日本の株価が長期的に上昇する時代が始まると考えています」とおっしゃっていました。
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