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投資や金融市場に影響を与える2024年の地政学リスク
台湾では自由民主主義を掲げる頼清徳氏が総統に
2024年がスタートした。今年、投資や金融市場に影響を与える地政学リスクにはどんなものがあるだろうか。読者によってニーズや優先順位は異なるだろうが、ここではいくつかポイントを紹介したい。
まず、台湾情勢の行方だ。台湾では1月13日に次の指導者を選ぶ総統選挙が実施され、民進党蔡英文政権で副総統を務めた頼清徳氏が勝利した。同氏は自由民主主義を強く掲げ、欧米との関係を重視しながら中国に向き合ってきた蔡英文氏のスタンスを継承しており、今後4年間は少なくとも中台関係の冷え込みが続く可能性が濃厚だ。
中国軍機に台湾への軍事的威嚇、中国による台湾産品の一方的な輸入制限などの威圧が仕掛けられることになろう。しかし、これによってすぐ台湾有事の発生リスクが高まるというわけではない。ただし、潜在的脅威として認識し、中長期的視点でそのリスクを見極めていく必要があろう。
また、ウクライナ情勢においては2024年、ロシアによる攻勢が強化される可能性がある。3月にはロシアで大統領選が行われるが、プーチン大統領の再選は確実で、2030年までの任期、お墨付きを得た同氏はウクライナ情勢でより強硬な姿勢に転じる恐れがある。
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