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為替 終わらない円安。なぜ、購買力平価は機能しなくなったのか
あまりにも使えなくなったPPP
2022年3月以降、円安・ドル高が続く中、PPP(購買力平価)に照らして乖離(かいり)が大きすぎる状況、言い換えればPPP対比で「過剰な円安」は長続きしないのではないかという照会を未だに受ける。こうした疑問については2点強調しておく必要がある。
第1に、ドル/円相場がPPP対比で上離れし始めたのは今に始まったことではないということ。第2に、「過剰な円安」と言い切るには輸出数量の増加を伴う必要があること、である。双方の論点は合わせて理解したいものだ。
まず現在の水準をおさらいする。長らく実勢相場の上限と見られてきた企業物価ベースPPPは2023年6月時点で92円と実勢相場(2023年6月時点の141円)に対して50%以上、円高・ドル安である。もはや何の参考にもならない尺度になり下がったと言える。
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