BNPパリバ・アセットマネジメント メディア・ラウンドテーブル 「グレート・ディスパージョン」の2027年。国債デュレーションを引き上げ、超長期JGBに強気
2026年10月22日、BNPパリバ・アセットマネジメントはメディア向けに都内でラウンドテーブルを開催した。テーマは「世界の金利動向と債券市場の行方」。前半は同社シニア・マーケット・ストラテジストのエカテリーナ・ビゴス氏が2027年に向けたマクロ経済見通しを解説し、後半はグローバル総合債券および絶対収益型債券チーム責任者のジェームズ・マカレヴィ氏が、ビゴス氏の質問に答える形で債券市場の見方と運用戦略を語った。その概要を紹介する。

2027年は成長も金融政策もばらつく「大いなる分断」の年に
ビゴス氏は2027年見通しを「Navigating Great Dispersion(分断する時代の舵取り)」と題した。世界経済は総じて底堅いが、その中身は一様ではなく、経済ごと、資産ごとのばらつき(ディスパージョン)が広がっているというのが基本認識だ。その要因として同氏は成長、地政学、中央銀行、企業収益、AI(人工知能)の5つを挙げる。AI関連の設備投資のサプライチェーンに組み込まれた経済や産油国が底堅さを保つ一方、エネルギー輸入国は原油高で成長が遅れている。
中央銀行は利下げ局面から引き締め方向に転換したが、これは経済の過熱による自国発のインフレではなく、イランをめぐる中東情勢に起因する「輸入インフレ」への対応であり、金融環境は「引き締まりつつあるが、まだ引き締まってはいない」段階にあると位置づけた。利回り上昇の背景には政策転換に加え、財政への懸念、AI投資との資本獲得競争、国債保有主体の変化によるボラティリティの高まりがあると分析する。
米国経済の牽引役は消費からAI関連の設備投資に移ったが、投資が狭い領域に集中している点はリスクだ。家計は高インフレと貯蓄の減少で消費が頭打ちになりつつあり、米連邦準備制度理事会(FRB)にはK字型経済の下層への配慮が求められる。エネルギー由来のインフレは一時的とみられ、FRBの引き締めは緩やかで、2022年のような積極的な利上げ局面は想定しないという。欧州中央銀行(ECB)も年末の利上げ後は様子見に転じると予想する。
日本については、設備投資が成長軌道に戻った点を評価しつつ、「金融政策の引き締めが成長軌道を損なわない範囲にとどまるか注視が必要だ」と述べた。
リスク要因には中東情勢と原油高の長期化、そして米欧アジアに広がるAIへのエクスポージャーの集中を挙げ、「AIのストーリーが悪い方向に展開すれば、サプライチェーンを通じて多くの経済に波及する」と警戒した。
賃金が動かない限り利上げは緩やか、国債デュレーション引き上げ
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