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真砂二郎の年金運用日記 米国でのグレートローテーション発現を契機に、株式の長期レンジ相場入りへの警戒を
現役の企業年金基金の運用担当者である真砂二郎氏が、日々の運用業務で思ったことをつれづれなるままに書いた「真砂二郎の年金運用日記」。今回は、市場の変わり目について語ります。
株式から債券へ大量の資金移動が始まった?
グレートローテーションとは、債券から株式へというように、安全資産からリスク性資産へ資金が大量移動すること、あるいははその逆の資金の大量移動をいう。
米国においては、FRB(米連邦準備理事会)によるこれまでの長期にわたる低金利政策からインフレ退治の高金利誘導への方向転換により、株式から債券への投資資金の移動、グレートローテーションが始まっているのではないかと言われはじめている。
同国の現状は、長期金利が足元の4%程度に留まるか、インフレが長期化して5~6%へと高まるかの瀬戸際にある。仮に5~6%に高まる場合は、株などのリスク性資産から国債などの安定性資産への本格的なグレートローテーションになっていくのではないだろうか。
例えば、5%で10年債を購入すれば、10年後には複利ベースで1.6倍へ、20年債では2.6倍へ、30年債では4.3倍になる。長期運用を目指す投資家は、10年間ないし30年間、固定して5%水準で運用できるならば、上下動の大きな株式から債券に資産配分を大きく移す行動を起こすというのである。しかも国債ならば償還リスクの心配もまずないだろう。そうなると、株式相場の長期停滞を覚悟しなければならなくなる。
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