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植田新総裁のコメントから読み取る新生日銀の金融政策見通し
留意点はインフレ動向
2月10日の日銀総裁に植田和男氏、副総裁に氷見野良三氏、内田真一氏を起用するとの報道は、市場参加者にとって「寝耳に水」だった。それまでは事前の観測報道から「日銀のプリンス」である雨宮正佳氏が総裁になると見られていた。そして同氏の下で、YCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)政策の修正が緩やかな形で行われると、市場参加者は見積もっていた。
ところが、その当てが外れて一時は市場が乱高下し、その後、植田氏が「現在の日銀の政策は適切であり、現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」と述べたことや、これまでの同氏の言動からバランスが取れた金融政策を行うのではないか、という見方も広まり、市場の動揺は概ね収まった。
ただ判然としないことも多い。本稿では、かつての植田氏の言動を振り返りつつ、足許の状況を踏まえて今後の金融政策を見通していきたい。
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